マンモグラフィー、乳房X線検査とも言いますが、乳房の単純撮影の一種です。乳房撮影専用の特殊な装置を使用して検査を行うのが特徴的ですね。
撮影時には、乳房をプラスチックの板で上下あるいは左右から挟み込んで固定し、乳房組織ができるだけ薄くなるように圧迫した状態で行います。
撮影するフィルムも高感度の特別なものになります。近年ではフィルムを使用する事なく、受像機としてフラットパネルという半導体素子の集まりを用いたデジタル乳房撮影装置もあります。
乳房撮影では乳がんの腫瘤像や石灰化を検出します。
乳腺が退縮して脂肪が多くなっていると診断がしやすくなりますが、乳腺がまだ発達している状態の乳房では、病変を十分に検出できないという事があります。
現在では40歳以上の女性で乳房撮影による検診のメリットが得られるとされています。乳房撮影で乳がんが疑われる場合には、細い針などで刺して少量の組織を採取して最終的な診断を行うこととなります。
腫瘤の存在がはっきりしない時に乳超音波検査を追加する事も有ります。乳房を圧迫する際に多少の痛みを伴う場合があります。黄体期で生理前の胸が張っている状態の時なんかは痛みを感じやすいかもしれません。
しかし乳房を圧迫するのには意味があり、より診断をしやすい画像が得られるだけでなく、乳房への被曝線量も少なくなるのです。検査の所要時間は約10分程度、十分な撮影が出来ていないとなると再検査となる場合もあります。
本検査はX線を使用する検査となりますので、妊娠の疑いがある方は事前に申し出て置く必要があります。
その場合には、超音波検査など他の検査方法がとられます。