1950年代後半、農産物を包装する資材として新たに登場したのが段ボールとされています。
現在ではそこかしこで便利に利用されている段ボールですが、それまで製造はされていたものの、農産物の包装という観点での使用はなかったと言われています。
また、包装業界で段ボールの製造へと参入する業者も少なく、段ボールの生産は包装というよりは地場産業として発展していたと言えるでしょう。
一方、同時期に登場したのが「ポリエチレンフィルム」(プラスチックフィルム)と言われており、こちらについては、多くの包装開発の会社が販売へと参入していったと言われています。
というのも、ポリエチレンフィルムの製造は手掛けているという業者が多く、比較的参入しやすかったという側面が考えられるでしょう。
それに加え、農産物のシーズン性へと対応しやすいといった点が挙げられるでしょう。農産物は冬と夏では出荷される種類や量などが異なり、野菜や果物にはそれぞれ「旬」と呼ばれる季節があることが、段ボールではなく難しい管理をしやすくしてくれるフィルムが重宝されたのではないでしょうか。
もちろん、シーズン別に包装に求められることも変わってはくると言えますが、段ボールでは製品ごと見直さなければならないところ、フィルムであれば孔の量や有無を調整するだけという簡単さも取り扱いやすい点として挙げられるでしょう。
こういった細かな調整があってこそ、賞味期限や品質といった面で差が出てくると言えるでしょう。
デリケートな農産物や生鮮品を相手にするからこそ、包装は一切妥協せず日々進化を求めていくべき業界であると言えるでしょう。
現在では多くの企業が凌ぎを削り、より安心で安全、かつ品質維持の期待できるフィルム開発が進んでいるようです。